第2章 後編
「……それって、暗に何かくれってことだろう」
嵐が去った後のような静かな空の上、ぽつんと呟くトランクス。
ゆっくりと視線を落とすと、の瞳があった。
こちらをただじっと見つめてくる恋人。
久し振りに触れた、愛おしい恋人の温もり。
――、随分と痩せた。
ズキリと痛む胸。
オレの、せいだ……。
記憶を取り戻し、オレを思い出してしまったことは、にとって辛いことなのではないか。
やっぱりオレには、に会う資格が無かったのではないか。
色々な想いがごちゃまぜになって、頭がどうにかなってしまいそうだった。
そんな自分をまっすぐに見つめてくるに、正直、何と言ったらいいのかわからない。
それでも何か言わなければと、口を開いたときだった。
「本当?」
「え?」
「本当に、まだ私のこと好き?」
綺麗に潤んだ瞳に、どきりと胸が鳴る。
「悟天が、そう言ってたの……」
その声はしっかりとしているように聞こえた。
しかし、触れた身体から伝わってくる微かな震えに気づく。
――頭より先に体が動いていた。
の唇にトランクスは自分のそれを重ねた。