第2章 後編
青い瞳が揺れる。
しかしそのまま、トランクスは何も返してくれない。
「トランクス君?」
そんなトランクスに声を掛ける悟天。
それでも沈黙する幼馴染に、
「きゃ!!」
「!?」
悟天はいきなりの身体を宙に放り投げた。
突然の事に驚きながらもトランクスは、とっさに両手でを抱きとめる。
空中で受け渡しされたは目が回ってしまい、一瞬何が起こったのか分からなかった。
――でも、
懐かしい匂い。
そして……懐かしい温もり。
ふと見上げるとトランクスの瞳と間近にぶつかって、ドキンと胸が跳ね上がる。
トランクスも心なしか顔が赤くなったように見えた。それを誤魔化すためだろうか彼はパっと顔を上げ怒鳴った。
「悟天! 危ないだろう!!」
「それじゃ! 僕は家帰るから!ごゆっくり~♪」
全く気にしていない満面の笑みで、悟天は二人からスーと離れていく。
「あ、トランクス君、お礼なんか全然いらないからね、全っ然! んじゃねー!!」
そう言い残すと、パオズ山の方へ飛んで行ってしまった。