第2章 後編
思いもよらない悟天の告白に、は何も言えなかった。
悟天が嘘をついているようには見えない。
……信じたい。
信じたいのに。
もうあんな辛い想いはしたくなくて、頭が期待することを拒否してしまう。
「だから、トランクス君がを振ったなんて、そんなの何かの間違いだよ!」
悟天はまるで自分のことのように必死にに訴える。
「そうだよ。だってつい昨日言ってたもん! トランクス君、まだのこと好きだって!」
「だったら!!」
悟天の言葉を遮るように大きな声を出す。
「だったら、なんで会いに来てくれないの!?」
それは絶叫に近い悲痛な叫びだった。
もし本当にまだ好きでいてくれているのなら、何で会いに来てくれないの?
記憶を無くしてしまったことを知っても、一度も会いに来てくれなかった。
……信じたくても、信じられない!
「そ、それは……きっと何かの事情があって……」
悟天の声も途端、弱々しいものになる。
悟天自身、疑問に思っていたことだったからだ。
「事情って……!」
と、丁度その時、部屋のドアが音も無く開いた。
はっとして見ると、そこには沈痛な面持ちの母が立っていた。
「おかあ、さん……」