第1章 前編
「もしかして、昨日のお茶の話で来てくれたとか?」
言っている間に悟天はの前に降り立った。
だが、悟天にいつもの明るさは無いように見えた。
「悟天?」
珍しく真剣な表情の悟天。
「、一緒に来てほしい」
「? ……どこに?」
キョトンとした顔をする。
「会って欲しい人がいるんだ」
「きゃっ!」
いきなり視界が回転しては驚く。
悟天がの体を抱き上げたのだ。
「ごめんね。怖かったら目瞑ってて」
言うと、悟天は空へと急上昇し、そのままどこかに向かって飛び始めた。
「なっ、なっ……!?」
急な展開についていけない。
でも、不思議と、結構なスピードが出ているにも関わらず“怖い”とは思わなかった。
ようやく落ち着いて、悟天の顔を見上げる。
やっぱり似合わないマジメ顔。
「悟天?どこに行くの? 会って欲しい人って……?」
すると、悟天は一拍置いて言った。
「西の都」
「!?」
聞いた瞬間、は体を強張らせた。
それが伝わっただろうか、しかし悟天は構わず続けた。
「会って欲しいのは、昨日話した……僕の幼馴染だよ」