第1章 01
「A組…ここだよね」
大きな扉の前に少し驚きつつ中を覗く
A組は既に揃って居るようでみなワイワイと雑談している
軽く見まわして焦凍の姿を見つけようとするがもう少しのぞき込まないと難しそうだ
「もし、普通科の人かな?」
突然声をかけられドキリとする
振り向けばメガネをかけハキハキとした口調で話しかけてくる人が立っていた
見覚えがある…体育祭で焦凍が倒した人だ…名前は確か…
「あ!すまない!!飯田天哉だ…突然話しかけてしまって…だが、君が中を覗いていたものだからつい人探しかと」
手がかくかくと動きながら話す姿が面白くて
思わず笑ってしまいそうになるのをグッとこらえた
「(そうだ…飯田天哉くんだ確か委員長だったはず)」
「どうかしたのかな?」
「あ!ご、ごめんなさい…あの轟焦凍さ…くん居ますか??」
「中に居るとも!とどろきくーん!!」
突然、飯田くんが大きい声を出すもんだから
クラス中の視線が私に集まる
「さっ!これで大丈夫!」
「あ、ありがとうございます飯田くん」
「委員長として当たり前のことをしたまで、では、オレはこれで」
苦笑いしか出てこないよ
まだみんなに見られてるし…女の子達ヒソヒソし始めたし絶対勘違いされてるよ
そりゃ、そうだよね関係ないしかも普通科の女が突然くるなんて
呼ばれた本人は何とも思ってないんだろうな…