第5章 05
鏡を見ればそこまで酷くはないが目元と鼻の頭が赤くなっていた。ハンカチを水で濡らし気休めで当てて少しだけ赤みを和らげた
本当はスイーツのお店に行きたかったけれど、こんな顔では恥ずかしいので家に帰ることにした。
映画館から帰る途中ふと、ショーウィンドウを見るとそこには水色と赤色の折り鶴のイヤリングが有った。
「可愛い…」
見つめていると急に肩をポンポンと叩かれて振り向けばピンク色の肌にパッチリとした目のとてもスタイルの良い女の子が立っていた
「芦戸さん?」
「覚えててくれたんだね!やったね!」
「あ!さっき…Limeしましたっ!!」
「うん!見た見た!一応返事したんだけど…」
「ほ、本当ですか!?」
そう言って慌ててスマホを出すと未読が2件となっており1件は芦戸さんからだった。もう1件は焦凍からだったが開かずにそっとスマホをカバンに戻した
「泣いてた?…大丈夫?」
流石というかヒーローの卵である芦戸さんは私の目元と鼻を見てすぐに何かを感じたのか心配そうに首をかしげた
「ご、ごめんなさい!…その、映画を見てて泣いちゃって」
「あ!もしかして『君のとなりで』?」
「そうです!」
「今私も見てきたの!」
芦戸さんはニカッと笑い同じ空間にいた事を教えてくれた。