第4章 04
「お帰りなさいませ。旦那様」
「凛か、今日は休みなのか?」
あまりの威圧感にいつも緊張をしてしまいうまく言葉を発することができなくなってしまう。それでも、なんとか声をだすと少し上ずった声になってしまった
「はいっ…お休みをいただきましてっ」
「そうか、何度も言っているが分かっているか?」
「はい…あの、身分が違いますから焦凍様とは決して」
「それでいい…あれは私の最高傑作だ…少し見た目がいいだけの大した個性でない、お前に誑かされて困るからなっ」
「わかっています…焦凍様も私のような召使いに興味など…」
「あだりまえだっ!!」
突然声が大きくなり睨みつけられる。その目が怖くて怖くて顔を伏せて視線をずらしスカートの裾をギュッと握りしめた。
そして、吐き捨てるように私に投げかけた
「どうしても、離れられないなら…焦凍に妾にでもしてもらえ」
その言葉に涙が出そうになった。
あの日もそうだった…。私の恋心はいとも容易くこの冷たくて熱い炎の中に消されてしまった。