第9章 夢と真実と…
「此処は…何処?」
夢のハズだが…いつもいるナイトメアが居ない…
目の前にはもう一人の私が居る…
違うとすれば…頭に白いウサギ耳がついている事だけだ…
すると…シャボン玉の様な光の球が私の周りに飛んでくる…
前世や今の記憶がドンドンくる…
曖昧だった記憶も来て…
蜜柑が…泣いていて…
棗は…シルバーは…
「どうして?」
全て思い出してしまった…
蛍ちゃんとそのお兄さんとのだっちが犠牲に…
いや、今から帰れば今井兄弟やのだっちを助ける事は可能かもしれない…
私の…ハートと一緒に存在していた…時計の力を使えば…
ユキの持っている小瓶が時計に変わった…
いつの間にか目の前に居た自分も消えている…
「帰らなきゃ…」
「決めたのか…」
「ナイトメア…決めたんだ…元の世界に帰りたい…」
「そうか…」
「今までありがとう…それと…」
ユキは手紙を渡した…12枚ある…
そのうち11枚はテレポートで飛んで行った…
「みんなの手紙の中に一枚ずつカードが入っています…」
「これか…」
「私が持っているカードと連携していて…何かあった時に連絡できるようになっています…アリス姉さんにも同じカードを渡してあります…何かあった時は呼んでください…私が生きている限り必ず戻ってきます…」
「そうだな…ありがとう」
「それと…力の暴走が出ない様に頑張るので…あんまり心配しないでくださいね?兄さん」
私はそういって帰って行った…
夢魔はカードと写真を手に取って見ている…
暫くすると…塔の仕事に戻って行った…
…
…
一方…監獄
「ユキは帰ったか…」
「ケッ逃げられてやんの…ジョーカー…」
「まあいいさ…あの子は…もう一人の余所者は…」
ジョーカーの近くを二羽の小鳥が飛んで行った…
青い方はすぐに鳥かごに入ってしまいそうで…
白い方は真っ直ぐに飛んで行ってしまった…
アリスはまだ迷い続けている…
元に世界に帰って責任を果たすべきか…
それとも…
…
…
彼女が再びこの世界に呼び出される日は近いかもしれない…
それとも…