第1章 出会いと別れ
よろしく、と笑顔で言ったかと思うと、すぐに様子を伺うようにそう聞いてきた。
…あれ?今呼び捨てで言われた…?
…ちょっと嬉しい。
「ううん、違う違う。私、偏頭痛が普通の人よりキツくてね、毎回ここでお薬貰ってるの。」
「あぁ、そうだったんだ。」
ほっとした顔になると、何かを思い出したかの様に後ろを振り向いた。
「あ、陸、ごめんね。」
「んーん!大丈夫!」
天くんが慌てて駆け寄ると、赤い髪の子が満面の笑みを浮かべてそう言った。
「この子は、僕の双子の弟の陸だよ。」
「双子なんだ…!」
「良く似てないって言われるけどね…」
陸くんがえへへ、と少し寂しそうに笑う。
「そうかな?」
「へ?」
「確かにぱっと見だと似てないかもしれないけど、良く見たり聞いたりすると、声とか優しそうな雰囲気とか…似てるところたくさんあるよ!」
まぁまだ知り合ったばかりですけど…。
自分で言ってツッコんで苦笑いする。
無責任なこと言ったかな…。
「あ、ありがとう!ちゃん!」
すると、花が咲いた様な笑顔でそう言った。