• テキストサイズ

さくらいろ❀.*・゚アイナナ

第2章 雪と桜色




ーー季節は冬。


街を歩けば綺麗なイルミネーションが輝き出し、赤と緑が多くなる季節だ。

そして、私も今年は受験生である。


「あ、見て見て!」

周りがざわめきだし、私もつられて見てしまう。

「TRIGGERだ!!」
「新曲かな?」
「知らないの?あれ、天くんがやってるドラマの主題歌だよ!」



「…………」



「あの日」から5年が経った。


あの時はたくさん連絡し合っていたけど、私が16歳の頃ー…つまりTRIGGERがデビューし始めた頃だ。
その時から連絡が少なくなってしまい、今では全然しなくなってしまった。


もう忘れてしまったんだろうか、私のことなど。
所詮は子供の頃の恋愛だったし、天くんも芸能界で良い人を見つけてしまったのかもしれない。

…などと考えてしまう。


知ってるんだ。天くんはそんなことをするような人じゃないって。
でも、どこかでそんな気持ちになってしまって。


「…………天くん、会いたいよ…」


そう呟いても、人混みにかき消されていく。



なんだか、今は遠い存在の人になっちゃったな…。


「そうだ、今日は陸くんのお見舞いの日だった。早く行かなきゃ。」



雪が静かに振る中、私は小走りで陸くんのいる病院へと向かった。




/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp