第1章 出会いと別れ
「天にぃ!」
「も。そんなに真面目に聞かなくていいのに。」
「私は天くんのこと知れてよかったよ」
私がそう言うと、ふい、とそっぽを向いて「…そう」とつぶやく。
かわいい、とか思ってしまった。
「あ!あのね、7月9日、俺と天にぃの誕生日なんだよ!」
「え!そうなの?!」
急いでカレンダーを見てみると、あと1週間程しかなかった。
「うそ!えっと、何がほしい!?」
「えーっと、うーん…俺はなんでもいいかな、」
「え!」
「僕も、何でもいいよ」
「何でもいい」が1番困る…!!
「クスッ…さ、もう時間だ。ばいばい、陸。また明日ね。」
「あ、り、陸くん!明日までに欲しいもの考えておいて!!」
「え、あ、わかった!!ばいばい!」
陸くんにそう告げると、天くんの後を追って急いで病室を出た。