第1章 金曜日の夜 合コンと出会いと健全Day
久々に会ったナミは、その抜群のスタイルをうまく生かした服装で、いつもより濃い目のメイクをしていた。
まさに魅惑の魔性の女。
女の私から見ても、ナミも立派な上玉の一人である。
「ちなみに今日は男女四人、合計八人による戦いとなっておりまーす!」
「た、戦いって…」
「今日は男女共、全員外れ無し!高学歴に美男美女!それにお金持ち!」
「やっぱりそこなのね…」
目に諭吉マークが飛び出しているであろう興奮気味のナミと、予約されていた席へと向かうと、遠くからでも確認できるレベルの美男美女が揃っていた。
(これは随分と目立つテーブルだ…)
私が最後に合流し、全員で最初のファーストドリンクを頼むと、それに合わせて次々とコース料理が運ばれてくる。
各々自己紹介も済ませ、見た目も味も良い料理を嗜みながら、それぞれ会話を楽しんでいた。
ちなみにお酒は飲み放題コースにされていたのだが、それにしては種類が豊富だった。
今日の席の配置は、男女が横一列に並び、対面になる形になっている。
飲み放題のお酒を全部制覇しようかと悩んでいると、目の前の男性に話し掛けられた。
「ももちゃん、よく飲むね」
「はい、今日はこの飲み放題のメニューを制覇しようかと!」
「す、凄いね…」
見た目は中の上、といった所だろうか。
話し掛けられた瞬間の印象も悪くはない。
「もしかしたら僕より強いかもなあ」
そう目の前の男性が笑う。
ちなみに、美味しそうな料理と飲み放題のお酒に集中し過ぎて、男性の名前は今のところ覚えていない。
「じゃあ、今日はとことん飲みましょ?」
そう目の前の男性に微笑むと、モジモジしながら顔を赤らめていた。
…ウブだ。
今日は強引なアプローチを仕掛けてくる男も居ないし、他の女の子達も全員初対面ではあったが、ナミの知り合いという事もあって性格の良さそうな子達ばかりだ。
そして、ナミも含めて美女揃い。
参加者の顔を改めて確認していると、一番離れたところに座っている男性と目が合った。
今日参加している男性陣の中でも、一際目を引く程のイケメンだ。
(確か名前は、と、と、と…?)
…やはり覚えていなかった。