第1章 金曜日の夜 合コンと出会いと健全Day
『久々ね!元気してた?』
「ボチボチかな。そっちは?」
『こっちもボチボチ!」
久々の友人からの連絡に、先程までのモヤモヤした気持ちが一気に吹き飛ぶ。
「それで、どうしたの?電話なんて珍しい」
『ももにお願いがあるのよ』
「お願い?」
聞くところによると、これから超上玉が揃った神合コンがあるらしいのだが、女性陣が一人都合が悪くなって来れなくなってしまったらしい。
つまりドタキャン。
『アンタが合コン嫌いなのは重々承知してるんだけど、素性の知らない女の子が来て、何かされても困るでしょ?』
「まあ、そうだね」
『その女が男共を全員かっさらう!そんな事になったらたまったもんじゃないわよ!』
そんな事は起きないと思うのだが…
ナミはそのプロポーションもさることながら、頭もよく切れる。
昔からお金が大好きで玉の輿を夢見ているのだが、そんなナミに泣かされた男は数しれず。
でも、私も男だったら、確実にナミにアプローチを仕掛けていることだろう。
『ももはそんな事しないだろうし、見た目も良いから男共も喜ぶでしょ!会費はアタシがなんとかしてあげる!』
「う、うーん…」
『タダ酒タダ飯タダイケメン!』
「タダ酒ッ…!」
『アンタの喜ぶ所そこかいっ!』
普段の自分なら即お断りをする所だが、金曜日の夜に一人飲みは気が引ける。
人生はタイミングとはよく言ったものだ。
セフレ達からの連絡に、さほど興味も引かれなかったため、”タダ酒”という誘惑に負けた私は、ナミからのお願いを聞くことにしたのだった。
『じゃあお店の場所送るわね!近くまで来たら連絡ちょうだい?』
通話を切ったのとほぼ同時に、ナミからお店の場所が送られてきた。
良い出会いなんて、端から期待していない。
楽しく喋って、楽しく飲む。
たまにはこんな日があっても良いだろう。
今日の合コンが行われるであろうお店に着くと、こちらに手を振っているナミの姿が見えた。
「もも〜!こっちこっち!」
「お待たせ〜!もう、みんな揃ってるの?」
「うん、ももでちょうど全員揃ったわ!」