第4章 旧友と看板娘 昔話と恋愛相談
「やっといつものトラ男くんに戻ったみたいね」
「よーし、乾杯だ乾杯ッ!」
らしくねェ自分はもうどこかに行った。
今と昔と、返しきれないぐらいの感謝を込めて、コラさんと再びグラスをカチンと鳴らす。
ももに早く会いたい。
そんな事も思いながら。
「だけど、本当に連絡先をコラソンに聞かなくても良いの?」
「まあ、その辺でばったりなんて難しいよなァ」
「そん時はそん時だ」
この店に来る時には淡い期待を抱き電車に乗ったが、それが叶う事はなかった。
それに少し落ち込んでいたが、今はそんな些細な事は気にならなくなっていた。
昔から“引きは強い方“だ。
この自信がどこから来るのか自分にも分からないが、とりあえず今日は、この気持ちの良い気分の良いまま酒を飲む事にした。