第3章 漢ローの冒険記 よみがえる走馬灯
俺もそれを承諾しBarで飲んだ後、部屋の前までももを送ると部屋でも一緒に飲みたいと言ってきた。
酔いつぶれる程飲んではいなかったが、その時はももと二人きりで部屋に入るのはマズイと、直感的に思った。
欲望に流されそうになる自分を抑え、ももの誘いを断ると、ももが急に大声で泣きわめき始めた。
部屋の中は防音になっているだろうが、廊下では話が別だ。
咄嗟に部屋に入り扉を閉めると、ももが腕を絡ませキスをしてきた。
ももの柔らかい唇の感触に体が震えたが、ここでももを抱いたらどうなるか。
”セフレの仲間入り”
それだけは絶対に嫌だった。
そうなれば他の男にもももが触れられるという事になる。
だがここで想いを伝えようにも、お互いに酒が入っているため、とてもそんな雰囲気ではなかった。
維持でもももを抱かないと決めた俺は、ももの体をなくなく引き剥がした。
するとももが俺の腕を掴んだままその場にペタリと座り込んだ。
『グスッ、まだ飲みたいようっ…』
そう言ってきた。
まだ飲むつもりかと、思わず心の中でツッコミを入れてやった。
『ローと飲んでるの凄く楽しいの…でも、一緒に飲む女の人なんて他にもたくさん居るでしょ?』
それはももも同じだろう。
俺と飲んでいる時には携帯を一切弄っていなかったが、スマホのバイブがしきりに鳴っていた。
金曜日の夜に連絡が来るという事は、おそらくももが飲んでいる時に言っていたセフレ達からの連絡だと思った。
『だから一緒に飲んでる間だけは、私の事だけ考えてくれたらって…』
そう上目遣いで話すもものワイシャツのボタンが、上から二段ほど外れている事に気付いた。
もう少しでももの肌が見えそうで思わずガン見してしまった。
『ラブホにも行かなかったし、私、女として見られてないって思って…』
そんなわけはない。
その瞬間にも抱き潰してやろうかと思っていた。
『キスしちゃってごめんなさい…、私ローとは絶対にセックスしないって決めてたのに…』