第2章 新たなる冒険 初めて生まれた感情
「ん…」
(眩しい…)
そう思いふと目を開けると、カーテンの隙間から差し込む日の光が、目の部分に直撃していた。
(あれ、私…)
ベッドから起き上がろうとした瞬間に、腰の辺りからバキッと音が鳴った。
「いぃっ…ッ!?」
(ん?なんかデジャブ…)
どうにか体を起こすと、自分が何も着ていない事に気づき、咄嗟に布団を引き寄せる。
(あれ、ローさんは…?)
確かさっき目を覚ました時は、ローさんに抱き締められていて、そのまま行為が行われた。
どでかい部屋に一人。
自分の身に何が起こっているのか思い出すため、頭をフル回転させる。
だが、思い出す事と言えば、ローさんの欲情した顔や先程の行為の事だけだった。
顔がカッと熱くなった気がして、今は思い出すのをやめようと思った。
そのだだっ広い部屋を見回すと、やはりローさんの姿はどこにも見当たらない。
シャワーを浴びているわけでもなかった。
(ま、まさか先に帰った…?)
とりあえず服を着ようと布団に包まりながらベッドから降りようとすると、ガチャッと扉が開いた。
「もも、起きてたのか」
「ろ、ローさん!」
扉から現れたローさんは、昨日とは違うスーツを着ていて、それがまたカッコよくてよく似合っている。
そしてその手には、高級ブランドのショップバックを持っていた。
「か、買い物に行ってたんですか?」
「お前の服を買いに行っていた。昨日のスーツはグチャグチャになったからな…」
「ぐ、グチャグチャに…?」
「ホテルのクリーニングに出しておいた」
「あ、ありがとうございます…」
(か、買い物にクリーニング…)
「ルームサービスを頼んでおいた。そろそろ部屋に届くとは思うが、先に風呂にするか?」
「ああ、じゃあ、先にお風呂にしようかな…?」
「湯船も張ってある、ゆっくり入ってこい」
まるで新婚さんみたいな会話だ。
「そうですね、じゃあお言葉に甘え…」
って…
「ちょっと待ったッ…!!」
完全に流される所だった。
さっきもそうだ。
私は昨日の事の顛末をローさんから聞こうとしていたのだ。
それが、あれよあれよという間に抱かれてしまった。
いや、正確には私が途中で誘ったような気も…