第2章 新たなる冒険 初めて生まれた感情
きっと、冷静になった時には絶対に言わないであろうセリフを、ローさんに言っているに違いない。
「どうしてほしいか、言ってみろッ」
「アっ、ああッ…!!も、もっとっ…!たくさん突いてッ…欲しいッ…!!」
そう言うのと同時に、体がガクガクと激しく揺さぶられる。
ローさんの口角があがった。
(良かった…)
その顔が見たかった。
「アぁっ!あっ!んあァっ…!!」
「ハァッ、ハァッ…」
ローさんの息もだんだんあがってきた。
「腰ッ、動いてるぞッ…」
「ンンっ…!だっ、だって…!ローさんっの、気持ちッ…イイからッ…!」
私の中がローさんの物をギュウギュウ締め付ける。
もう、意識を保っていられない。
「やあっ…!もうっ、イくッ…!イっちゃうぅッ…!!」
「あぁッ、イけッ…!」
切羽詰まったローさんの声が、耳の中を侵食した。
背中が泡立った瞬間に耳朶を舐められ甘噛みされる。
それと同時に胸の突起をギュッと摘まれた。
「ひっ!?ああァっ…!!」
「ここを摘ままれるのも好きだったなッ…」
「ンンンっ…!?ろ、ローさんッ…!ローさんッ…」
「ももッ…!」
「ッアァぁっ…!?」
ローさんの物をギュッと締め付けたと同時に、身体がカッと熱くなった。
酸素を吸っても吸っても、今まで責め立てられてきた場所が、熱いまま治まらない。
体に力が入らないまま呼吸を整えいると、彼が覆い被さってきた。
「ハァッ、ハァッ、大丈夫か…?」
そのローさんの問いに、答える事ができない。
何か喋ろうとしても、言葉がうまく出て来なかった。
「悪ィ、やり過ぎた…」
なんだか謝ってばっかり…
そう謝るローさんの顔が見たくなって、重くなった瞼を頑張って開けると、捨てられた子犬のような顔をしていた。
(可愛い…)
そんなローさんの表情に、思わず抱き締めたい衝動に駆られたが、腕にも体にも全く力が入らない。
「お前が可愛すぎて、つい調子に乗っちまった…」
また、ローさんと同じ事を思った自分に嬉しくなった。
可愛いのはローさんの方だと言おうとしたが、やはり言葉を発する事が出来ない。
襲ってくる微睡みに身を委ねると、自分の呼吸音が遠くなっていく。
ローさんが私に優しくキスをしたような気がする。
身体を強く抱き締められる感覚と同時に、私は意識を手放したのだった。