第7章 出来損ないの魔女【ヴィル・シェーンハイト】
「……私が起きるの待っていようとしたの?」
「だって…最近全然2人になれなかった。」
「そうね、私が悪かったわ。ごめんなさい。」
目を擦りながら甘えた声を出す姿に_ゾクリ。と背に電気が走ったような感覚になる。
「…アンタ、ブラックコーヒー嫌いでしょうが。」
「コレが1番眠気覚ましになるって聞いて。」
「まったく…。あのねぇ、カフェインの眠気覚ましは一時的なものなのよ。一瞬効いたとしても後から貯金でどっと眠くなるの。……ほら、せめてベッドに移動するわよ?」
「……んー?」
「ふっ、ふふ。寝ぼけてるの?」
何が何だか分からない様子で首を傾げる様が異様なほど可愛く見えて半開きの唇に熱を寄せた。
「え、…ヴィルさん?」
「……目が覚めたかしら?ほら、行くわよ。」
唇の余韻を感じていたらこのままでココで進みたくなるからと、私は急かす様に手を掴み目を見開いた寝坊助をベッドルームへと誘導する。