第6章 幸せの記憶 【ジャミル・バイパー】
「……………ア、アズールかっ!!!」
「は、はい…。」
「………何を等価にしたんだ!!」
「つ、次のメニューの試食で構いません。って。」
「…そ、そうか。それなら良いが。
………嘘は着いていないな?…本当だろうな。」
あまりの勢いに押されつつも、何とか納得してくれた様子の先輩にこの時間にここへ来た理由を説明する。
「それで、コレを暗い所で下から照らせ。と。」
「あぁ、ソレでこんな時間に来たのか。」
___はぁ。とまた深いため息を疲れた私はコレは失敗だったな、と肩を窄めた。
「……ごめんなさい、疲れてましたよね。」
ジャミル先輩は暇ではないし、そもそもこんな時間だ。よく良く考えれば自分勝手すぎる私の行いを恥じていると、頭に__ポンッ。と手を置かれた。
「…いや。それよりどうするんだ?ここでも灯りを消せば暗くはなるが…少し、移動するか?」
子供をあやす様な笑顔に絆された私は、ジャミル先輩と夜の散歩。という餌を我慢することが出来ず、優しいその提案にドキドキしながら乗っかった。