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【ツイステ/短編集】◆ SCaT !!◆

第4章 平凡な黒真珠 【ジェイド・リーチ】




「………え?」


そして、伸ばした手は、
幸か不幸か彼女の腕に届き、
僕はやっと呼吸が出来るようになった。


「……あの、…離して下さい。」
「…残念ながら、嫌ですね。」
「…離してっ!!離して下さいっ!!」


声を上げる彼女を自分の腕の中に閉じ込める。


「……いかないで下さい。」


自然と、口がそう動いただけだ。


「…僕を、置いていくなんて…許しません。」


だだの駄々だと言うことは分かっている。


「いなくなるならせめて、笑って下さい。
貴方は元気位しか取り柄が無いでしょう。」


無理ならばせめて、いつもの柔らかい笑顔を。


「…そんな顔の貴方を見送れと言うんですか?」


もう一度、笑って欲しい。


「僕は、貴方の笑顔が。頭が弱そうで好きなんですよ。
…僕の傍で、笑って下さい…。」


あぁ、僕は彼女が好きなんだと。
こんな時に何故かハッキリと理解してしまった。


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