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【ツイステ/短編集】◆ SCaT !!◆

第4章 平凡な黒真珠 【ジェイド・リーチ】




「ジェイド先輩……。あの……。」


「……………おや、すいません。
お見苦しい所をお見せしました。
あちらへ行っても元気に頑張って下さいね。
貴方には元気位しか取り柄が無いでしょうから、
ソレを損なわない様に。」


声を上げてしまい居心地が悪かった。
だから、心地の良い黒目を見ずに、早口でそう紡いだ。


「…先輩、泣かないで下さいよ。」

「…泣いていませんよ。特段、
悲しいだとかそういった感情は湧いていませんから。」


何故か頬に水が伝っているのはわかっていたが、
その理由は分からない。


「…そうですよね。じゃあ。お元気で。」


そう言って彼女は元の世界へと帰る特別な鏡へと
真っ直ぐ、進んでいった。


「…。(何で……笑ってくれないんですか。)」


最後に見た顔が、彼女らしくない寂しそうな、
元気のない顔だったからなのかもしれない。


「(何で、そんな顔で居なくなるんですか。)」


何故か異様に腹が立って、
息が詰まるものだから僕は
真っ直ぐすすむ彼女へと腕を伸ばした。



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