第4章 平凡な黒真珠 【ジェイド・リーチ】
「…ジェイド先輩。」
「はい、何でしょうか?」
けれど、この平凡な瞳を
2度と見れなくなる日が来ると思うと、
何故だか異様に息が詰まる。
「海なら……繋がっていますかね?」
黒真珠の瞳は、どうしても嫌えない。
「さぁ、どうでしょうか。
海は陸よりもずっと広いですから。
もしかしら繋がっているかもしませんね。
………もしかしたら、ですけど。」
もしも海が彼女の世界と繋がっていたら、
僕はどうするのだろうか。
「ジェイド先輩に会えなくなるのは寂しいです。」
きっと、どうするのかは、
その時にならなくては分からないのだろう。
だから、この寂しそうな顔を眺めて楽しむのが
現状出来るうる正解なのだとこの時僕はそう思った。