第4章 平凡な黒真珠 【ジェイド・リーチ】
「……帰る目処は、たったんですか?」
そんな彼女は、
ツイステットワンダーランド(ココ)とは
別の世界から来たらしい。
「いいえ、全く…。手がかりゼロですよ。」
そしていつか、ソコに帰っていくらしい。
「帰りたいですか?…元の世界に。」
「そうですねぇ。……帰りたいです。」
それが嫌かと聞かれたら、
どう答えたら良いのか分からないが、
その時位は知っていたいと思う。
僕が彼女に向けている感情は、
その程度の気持ちなのだろう。
「大丈夫です。…此方に来れたんですから帰る方法も必ずありますよ、それが道理ですから。」
彼女は普通の平凡な人間だから。
帰ってしまっても
僕にとって、さして問題は無いだろう。