第2章 仮面の裏側 【フロイド・リーチ】
「んー、想像出来ねぇからわかんねぇ。」
俺が素直にそう伝えると、ワタワタと慌てだして腕の中から逃れようと暴れだした。
「す、すいません、変なこと言ってっ!!」
「別にいいけどぉ…顔、真っ青だよ?さっきまで真っ赤っかで桜えびみてぇだったのに。」
青い顔を何故か不満に感じたので、このまま逃がしてやるもんかと頬を潰して顔をマジマジ見つめると、小さな海老はまた桜えびの様に色ついた。
「えー?今度はまた赤くなんの?忙しいね。」
「…っ…近い、近いですよ!!やめてください!」
「俺は赤い方が好きだなぁ。小エビちゃんっぽい。」
この赤い顔はイラつかない。面白いくらいに赤くなったまま小エビちゃんはホロホロと目から液体を流し始めた。
「……す、好きとか…言わないで…っ…。」
「んー、なんでぇ?」
ソレが異様な程可愛らしく見えて、グッと顔を近づけると真っ直ぐこちらを向いてから決意をした様に俺に向かって言葉を投げかけた。
「…フロイド先輩が好きだからっ、…そうやって揶揄われると、心臓が飛び出そう何です。」
さっき迄泣いていたクセに、あまりにもハッキリとそう言うので俺は目を見開いた。