第2章 仮面の裏側 【フロイド・リーチ】
「そんなムード無いこと嬉しそうに言うの小エビちゃんしかいねーもん。絶対そう。」
「…わ、私の印象…そんな感じ何ですか?」
「そーだよぉ?小エビちゃんはいっつも俺から逃げようとするから面白ぇの。」
夢の中の女は青ざめた顔をしてポロポロと仮面が崩れ去っていき、今腕の中にあるこの顔になった。
「その妙な女は小エビちゃんだったんだよぉ。」
「……っ。(え、つまり私との淫夢を見たって言ってるんだよね!?この人っっ!!)」
「えー、真っ赤じゃん。いつ茹でられたの?」
赤い頬が面白くてフニフニと指でつついていると、身体を強ばらせた小さな海老はオドオドと声を上げた。
「私が…逃げなかったらつまらないですか?」
「小エビちゃんが、俺から逃げなかったら?」
「はい、もしもフロイド先輩を…その。…追いかけて………好きだとか、構って欲しい。ってそんな風になったら…つまんないですよね。」
言葉を紡ぎながら、赤い顔が青くなった。