第9章 人類の希望→感情の変化
審議所の自分の持ち場に着いてから結構時間がたった。
フーリは事実だけを言えばいいと理解しているため、冷静な顔をしている。
ミカサはずっと拳を握ってそわそわしている。
アルミンはよほど緊張しているのか額から冷や汗を流している。
フーリはちらっと右側を見た。
そこには調査兵団団長エルヴィン・スミスと人類最強と称されるリヴァイ兵士長の姿があった。
次にフーリは前を見た。
そこには憲兵団団長のナイル・ドークやウォール教のニック司祭の姿があった。
兵団の幹部達が勢ぞろいか・・・
それだけエレンの存在は影響があるのか。
フーリがため息をついた頃・・・
ガチャン
扉の開く音がした。
エレンと兵士が審議所に入ってきた。
「エレンっ・・・!」
ミカサは今にも飛び出しそうだった。
「とりあえず落ち着いて。」
フーリはミカサを落ち着かせた。
フーリ達の立つ場所の真ん中のスペースにエレンは立膝をさせられた。
手はもちろん拘束されていた。
「ウォホン!」
三つの兵団を仕切る男ダリス・ザックレーが咳払いをした。
「では・・・エレン・イエーガー君の身柄についての審議を始める。」
ダリスの声で審議はスタートした。