第9章 人類の希望→感情の変化
壁内に戻り、エレンは審議所の地下牢に入れられた。
「エレン・・・。」
ミカサは心配そうに呟いた。
「そんな心配しなくてもいいだろ。どうせ裁判で会えるから。」
フーリはそう言ったが、ミカサには聞こえていないようだった。
「僕たちは本当の事を話せばいいんだよね?」
珍しくアルミンが尋ねてきた。
「ああ。下手に嘘を付けばエレンの立場が危うくなるだけだからな。」
フーリは肩をすくめた。
もうすぐエレンの身柄がどうなるのか、審議が始まる・・・
調査兵団かあるいは憲兵団か・・・
「憲兵に渡ってしまったら終わりだと思うが・・・。」
フーリが呟くと、ミカサがギロッと睨んできた。
「まあ、渡らないようにすればいい。」
フーリはミカサの目線を受け流した。
と、そこへリコがやってきた。
「もうそろそろ始まるよ。君たちも持ち場に着いたほうがいい。・・・いいか?正直に答えろよ?」
リコは三人に釘を刺してから、つかつかと審議所に入っていった。
三人も緊張の面持ちで審議所に足を踏み入れた。