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生きる意味と生きる希望を

第8章 初陣


「このあたりだと思うが・・・。」

フーリはウォール・ローゼの上を走り回っていた。

ピクシス司令がなかなか見つからず、しかたなく壁の上を一周することにしたのだ。

人が集まっているからすぐわかると言っていたが・・・

どこも人が集まっているじゃないか。

フーリが途方に暮れていると

「おお!君がフーリ君かな?」

と後ろから声をかけられた。

フーリが振り向くとそこには坊主(ハゲだな)の駐屯兵団の兵士がいた。

「ピ・・・ピクシス司令!」

フーリはやっと見つけたというような顔をした。

「遅かったじゃないか。呼びに行かせたはずじゃが・・・上手く伝わらなかったかな?」

ピクシスは鼻の下のひげを触りながら聞いてきた。

「いえ、単に見つけられなかっただけです。」

フーリは正直に答えた。

ピクシスは笑った。

「そうじゃったのか。いやあ、エレン君達と歩いていたからすれ違ってしまったかのお。」

それでなかなか見つからなかったのか・・・。

・・・・何だと?

「ピクシス司令!エレン達は司令と共にいるのですか?」

フーリは驚いてピクシスを見た。

「ん?ああ。今作戦会議中じゃ。トロスト区奪還のな。」

フーリは納得した。

エレンの力を使って奪還するのか。

「その作戦にフーリ君を参加してもらおうと思ってな。」

ピクシスはフーリを見てにかっと笑った。

「君は首席卒業だと聞いているぞ。逸材ともな。」

フーリは遠慮がちに

「たいしたことありませんよ。」

と言った。

「まあまあ、そんなに遠慮するでない。とにかく、作戦に参加してもらうぞ。」

ピクシスは優しく言ったが、強制だということが伝わってくる。

「わかりました。作戦に参加します。」

フーリは強く言った。



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