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生きる意味と生きる希望を

第8章 初陣


訓練兵達は補給所の目の前にある民家の屋根に移った。

そこからは巨人を倒す巨人がよく見えた。

並の巨人よりは強いが、さすがに力尽きたのか巨人に喰われ始めた。

「さすがに無理か・・・。」

コニーがつぶやいた。

「あの巨人が仲間なら心強い。」

ミカサが言った。

それはみな同じ意見だった。

「でも助けられるかな?」

アルミンが困ったように言った。

するとアニが突然、

「どうにかして助けよう。あれが仲間なら人類に勝機があると思わないかい?」

と言ったのだ。

驚いてみんなアニを見た。

普段無口のアニが・・・

「・・・。」

フーリはアニの目を見つめた。

アニ達が訓練兵になった理由とあの巨人は関係しているのか?

フーリは眉をひそめた。

「よし!助けようぜ!」

コニーが呼びかけた。

全員同じ意見。

「ねえ・・・。あいつの何を助けるんだ?」

そう言ってフーリは巨人を指さした。

訓練兵達は巨人のほうを見た。

今まで喰われていた巨人がいきなり喰ってきた巨人の頭をつかみ、ふりまわしたのだ。

そしてあっという間に倒してしまった。

「!?」

訓練兵達の間に長い沈黙がおとずれる。

しかし、その巨人はドシンと倒れてしまった。

そして蒸発しはじめた。

「蒸発してしまうぞ!!」

ジャンが焦った声をあげる。

この巨人・・・普通じゃないな。

?・・・なんだ?あれは・・・

フーリは蒸気の上がる巨人のうなじを見た。

そこには何かいるように見える。

「まさか・・・人?」

それは人型に見える。

と、ミカサがその巨人のもとへ向かった。

そしてその人らしきものを抱きしめたのだ。

フーリは目を凝らした。

「!?・・・あれはエレン?」

フーリはつぶやいた。

確かにエレンだ。

今まで巨人を蹴散らしていたのはエレンだったのだ。

「なぜ人間が・・・巨人なんだ?」

全員の中にその疑問が浮かんだ。

「エレンの存在が人類の勝機にかかわるのか・・・」

フーリはアニの言葉を繰り返した。
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