第8章 初陣
補給所はもう目の前だった。
「巨人が周りにたかっているな。くそっ・・・。どこから入ればいいんだ・・・。」
ジャンは迷った。
フーリは補給所全体を見て、最上階の窓ががら空きなことに気づいた。
「ジャン、見つけたぞ。あの窓だ。巨人がいない唯一の場所だ。あそこに突っ込めばいい。」
「そうだな・・・。よし!お前ら!!あの窓に突っ込むぞ!」
ジャンは全員に叫んだ。
訓練兵達は頷いた。
「いくぞおおおおおお!!」
ジャンの掛け声で一斉に窓に突っ込んだ。
窓ガラスを割って全員なかに入ることに成功した。
訓練兵達は安堵の息を漏らした。
しかしジャンだけは後悔したような顔をしていた。
「俺の合図で・・・何人死んだ?」
膝をついて震えるジャンにフーリは歩み寄った。
「ジャン、あんたが後悔をするな。みんなあんたを信じてここまでついてきた。言い出したのはあんたなんだからしっかりしろ。」
フーリの言うとおりだ・・・。
ジャンがそう思ったやさき・・・
ガシャーーーーン
人が集まりすぎたせいで巨人が補給所を襲いはじめたのだ。
訓練兵達は奥の部屋へ逃げ出した。
ジャンは立ちすくんでしまって動かない。
そんなジャンをフーリは呼ぶが、聞こえていない。
もう、駄目なのか。
ジャンが諦めかけた時だった。
窓のところにいた巨人が殴り飛ばされた。
殴り倒したのはなんと巨人だった。
何が起こったんだ!?
フーリは驚きすぎて声がでなかった。
そこへコニーとアルミンとミカサが到着した。
「あいつは敵じゃねえ!巨人を倒すことしか興味ないらしいぞ!」
コニーはうれしそうに報告した。
絶望していたジャンだったが笑顔になった。
「よし!次は補給場所の奪還だな!」
次々と驚くことが起こるな。
フーリは呆れつつも希望が持てた。