第8章 初陣
それぞれの兵団に配属される日もまじかに控えたその日。
今日は全員トロスト区に備え付けの大砲の整備をしていた。
フーリはミカサと同じ班となり、一緒に作業をしていた。
「この大砲はもういいだろう。次の大砲に移ろう。」
フーリはミカサを誘った。
「わかった。」
ミカサはそれに応じた。
「ねえフーリ、調査兵団の上層部がきたあの日にリヴァイ兵長と話した?」
ミカサは聞いてみた。
あの日からフーリは生き生きとしている。
もしかしたらリヴァイ兵長が何か言ってくれたのかもしれない。
ミカサはそう思っていた。
「ああ、話した。あのチビは私の調査兵団入団を認めないといったんだ。私は絶対に認めさせる。それまで死ぬわけにはいかない。」
フーリは強く言った。
やっぱり・・・彼はフーリに生きる意味を与えてくれた。
ミカサはうれしくて微笑んだ。
「何だミカサ?突然にやけだして・・・。」
フーリは不思議そうにミカサを見る。
「いいえ、別に。」
ミカサははぐらかした。
「そうか。・・・さっさと整備してしまおう。」
フーリは追及するわけでもなく、作業を再開した。
そんなときだった・・・・・・・・・・・・。