第7章 出会い~俺は認めない~
リヴァイはもう一人の首席の訓練兵を探しに森を出ようとした。
すると、低めの木に一人の訓練兵が寝ているのに気が付いた。
さぼりとはいい度胸だな。
「おい。何をしているんだ?」
リヴァイは訓練兵に向かって、叫んだ。
その訓練兵はリヴァイをちらっと見てから、立体起動を使って器用におりてきた。
こいつか・・・もうひとりの首席の奴は。
確かに実力は相当なものだな。
その訓練兵は面倒くさそうにリヴァイを見て敬礼した。
リヴァイはその目を見て息をのんだ。
吸い込まれそうなほど澄んだ青色の目。
きれいだ・・・。
素直にそう思った。
「お前、名は何という?」
「フーリ・サトリアスです。」
「フーリ、お前はどこの兵団希望だ?」
「私は、調査兵団希望です。」
ほう・・・。珍しい奴だな。
「なぜ入りたい?」
「壁外に行って、巨人を見たい。それだけです。」
巨人を『見たい』・・・か。
「死ぬのは怖くねえのか?」
「はい。いつ死んだって構いません。こんな世界に生きる意味なんてないです。」
その瞬間、リヴァイはこいつを守らなくてはと思った。
「・・・俺は認めない。」
「は?」
さっきまで無表情だったフーリが驚いた顔をした。
「巨人を倒せない奴が来られても足手まといになるだけだ。
それでも入りたいのなら・・・俺を認めさせてみろ。」
フーリは不機嫌な顔をした。
「あなたに認めてもらわなくても入り・・・ん!?」
突然、リヴァイはフーリにキスをした。
「・・・認めさせてみろ。いいな?」
フーリは驚きと恥ずかしさで赤面した。
しかし、一番驚いたのはリヴァイ自身だった。
俺は何でガキにキスしたんだ・・・?
「・・・わかりました。必ずや認めさせます。」
フーリの青色の目に光が差した。
リヴァイはその場を去りながら、よかったと思った。
俺はあいつを守る・・・そして
俺があいつの『生きる意味』になる。