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生きる意味と生きる希望を

第6章 「あんたの本気を見せてくれ。」


フーリがジャンと勝負をしてから、2週間が過ぎた。

今日は、対人格闘術の訓練だ。

まじめに受ける者もいれば、上手くサボる者もいた。

フーリはサボる側だった。

フーリが教官にばれずにうたた寝をしている時だった。

「あんたもさぼってるんだね。」

声のする方へ顔を向けると、そこにいたのはアニだった。

「気が向かないだけ。面白味を感じない。」

フーリがそう言うと、アニはフッと笑った。

「私とは理由が違うね。」

フーリはアニの顔をじっと見てから、

「・・・点にならない訓練はやらないってわけか。」

と言った。

「その通りさ。ねえ、フーリ。私と対人格闘をしないかい?」

「アニからの誘いなんて珍しい。へえ、自信あるんだな。おもしろそうだな。やるか。」

そう言ってフーリは立ち上がり、構えをした。

アニも構えの姿勢をとった。

しかし、一般的なものとは違うようだ。

アニだけのアニの格闘術・・・。

さっきまでは死んだ顔をしていたのに、生き生きしてる。

「私からいかせてもらう。あんたの本気を見せてくれ。」

言うと同時に、フーリは地を蹴った。

アニの足に自分の足を引っ掛ける。

見越していたかのように、アニはフーリの胸倉をつかみ、背負い投げをしようとする。

フーリもアニの胸倉をつかみ、思いっきり投げようとする。

2人は同時に地面に倒れこんだ。

「初めてだよ。私の蹴りをかわす奴は。」

アニは少しうれしそうに言った。

フーリはすくっと立ち上がった。

「それはお互い様だな。」

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