【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
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支度を整えて、私達はオンボロ寮から出た。
昨日私とグリムが掃除したメインストリートを、4人で歩いてく。
グリム
「おうおう、どけどけ〜い!今日からナイトレイブンカレッジの生徒である、オレ様のお通りなんだゾ!」
グリムは昨日に引き続き、超ご機嫌な様子。
グリム
「見ろ、この首輪を。オマエのダッセー首輪と違って、めっちゃキマッてるんだゾ」
グリムはエースをからかうように、魔法石の首輪を見せびらかす。
グリム
「しかもオマエ、今は魔法がつかえないんだろ?今日は一日、雑用係として学校の掃除でもしてたらいいんだゾ」
エース
「ぐぬ〜〜〜!」
グリム
「にゃっはー!いい気分!」
ユウ
「こらこら、可哀想でしょ」
グリムは、馬鹿にされたことめっちゃ根に持ってるみたい。
エース
「お前ら、オレが魔法使えるようになった時覚えてろよ!」
ユウ
「ら!?僕も!?」
何で!?
デュース
「昨日学園長から騒ぎは起こすなと言われたばかりだろう……」
ユウ
「そーだそーだ!また喧嘩とかやめてよね」
って、グリムは私が止めなきゃいけないのか……監督生ってそういうことだよね。
うう、私にできるかなぁ……
デュース
「とにかく、魔法が封じられたままでは、授業もろくに受けられない。ローズハート寮長に謝って外してもらったらどうだ?」
エース
「くそ〜。超納得いかねぇ〜!!」
ユウ
「文句言いたくなる気持ちも分かるけど……それは、まず謝ってからだよ」
結局は盗み食いをしたエースが悪い、って話だし。
ユウ
「デュース、僕もハーツラビュル寮について行っても大丈夫かな?」
デュース
「いいんじゃないか?他寮への行き来は、校則では禁止されてなかったはずだ」
ユウ
「よかった」
エースに一緒に行くって約束したのに、入っちゃダメだったらどうしようかと思った。
グリム
「まだ授業が始まるまで時間があるし、オレ様、別の寮も興味あるんだゾ。エースが謝りに行くついでに見学してやろう」
エース
「見世物じゃねーぞ!ちくしょー!」
メインストリートにエースの叫びが響いた後……
グリムの笑い声も響いてしまったのは、言うまでもない。