【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第9章 【荒野の反逆者】中編
サバナクロー寮生A
「おい、お前らそこで何してんだよ」
「「「「「!」」」」」
後ろを振り返るとそこには、3人のサバナクロー寮生たちの姿。
いずれも焼けた肌に、ガッチリした体に、鋭い目元の、これまた強面な人たちだった。
サバナクロー寮生B
「ハーツラビュル寮のやつらじゃん」
サバナクロー寮生C
「へへへ!赤いお坊ちゃまのおとりまきかぁ〜」
私たちを見回して、サバナクロー寮生たちはニヤニヤと笑う。
それを見て、私は一歩後退った。
しまった……ジャックと話したら、すぐにサバナクローから出て行くべきだった!
サバナクロー寮生A
「俺たちの縄張りにずかずか踏み込んできて、無事で帰れると思ってねぇだろうなァ?」
デュース
「ウッ、このパターンは……」
眉根を寄せるデュースに、私も頭に嫌な思い出が浮かんだ。
食堂での温玉先輩、植物園でのレオナ先輩、昨日の手袋先輩……
エース
「あ、もう帰るんで!お邪魔しました〜」
サバナクローの人たちに愛想笑いするエースの隣で、ケイト先輩がデュースと私に手招きする。
私は頷いて、サバナクローの人たちから後退った。
揉め事になる前に、さっさと帰るに限る……!
ガシッ
ユウ
「うぇっ!?」
サバナクロー寮生B
「何逃げようとしてんだ?」
寮生の一人が、私の腕を掴んだ。
デュース
「オイ……」
ケイト
「ユウちゃん!」
ヤバい!
思わず固まる私の肩によじ登って、グリムがサバナクローの人たちに向かって威嚇する。
グリム
「子分から手を離すんだゾ!」
サバナクロー寮生B
「そう言わずに遊んでけって!」
サバナクロー寮生C
「へへへ!狩りごっこしようぜ!もちろん獲物は、お前たちだ!」
腕を振っても離してもらえないし、グリムは今にも火を吹きそうだし、エースたちもキレ気味……
どうしよう……今は揉め事起こしてる場合じゃないのに!
その時、サバナクロー寮生たちの後ろに、新たに2人の人が現れる。
レオナ
「──やめとけ、お前ら」
聞き覚えのあるその声に、私は息を呑んだ。