【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
エースを私達の部屋に泊める……?
エース
「オレ、スマートだから場所取らないしさ。ねっ」
それは……エースには悪いけど、無理!
女ってバレる危険性高過ぎだし、第一同年代の男の子と同じ部屋で寝るとか私の精神的にも無理!
エース何気にイケメンだから余計無理!
ユウ
「談話室のソファへどうぞ」
エース
「ちぇ。ケチ」
ひとの気も知らないで!
エース
「いいですよ〜。1人寂しく談話室のソファで寝ますよーだ。おやすみ!」
ユウ
「おやすみ」
ぶつくさ言いながらソファに寝転がったエースを後に、私とグリムは自分達の部屋に戻った。
明日は早起きしなきゃ。
◇◆◇◆◇◆
翌朝
ユウ
「う〜……ん……」
ぐがー
大きないびきが気になって、私は目を覚ました。
ユウ
「グリム……いびきうるさい……」
ぐがー
ユウ
「……ん?」
いやに間近で聞こえるような……グリムは隣のベッドで寝てるはずだし……
背後に気配を感じて、私は寝たまま体を反転させた。
ユウ
「っ〜〜〜〜!!?」
エース
「う〜……ぐがー」
え、エースがいるーーーー!!?
弾かれたように起き上がった私は、“隣で”眠るエースを見た。
ブレザーは脱いだシャツ姿で、よりによって私の方に顔を向けたまま、呑気にいびきをかいている。
ユウ
「こ、この爆発頭……」
思わず顔に熱が集まるのを感じながら、私はすぐにベッドから降りた。
談話室のソファで寝たは良いけど、寝心地悪くて目が覚めて、やっぱベッドが良いとか考えて、でも掃除は面倒だからって、私のベッドに潜り込んだ……ってとこかな。
何でこっち!?せめてグリムの方に潜れば良いじゃん!!
ユウ
「後で文句言ってやる……!」
……女ってバレてないよね?
今日ほど自分の胸がペッタンコで良かったと思った日はなかった。
◇◆◇◆◇◆
私が起きた時間は結構早くて、登校するまで大分余裕がある。
私は、昨日綺麗にした風呂場でシャワーを浴びた後、寮の掃除を進めた。
こまめに掃除してかなきゃ、いつまでもオンボロのままだし!
ドンドン
ユウ
「誰だろ……?」