【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
リドル
「ボクのものに手をつけるなんて、いい度胸がおありだね」
冷蔵庫の中の苺のタルトは、どうやらリドルのものだったらしい。
リドル
「ハートの女王の法律・第89条『女王の許しなくタルトを先に食べてはならない』……タルトの窃盗は、許しがたい重罪だ!」
リドルは目を見開いて、その手をエースに向ける。
リトル
「『首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)』!」
ガシャン!
エース
「ギャー!!」
そうして、エースの首には魔法封じの首輪が付けられてしまった。
【HEROINE side】
エース
「……ってわけ」
エースの話を聞き終わって、私はグリムと顔を見合わせる。
グリム
「…………」
ユウ
「…………」
なんというか……
グリム
「どっちもどっちなんだゾ」
自業自得じゃん!って言いたい。
エース
「たかがタルトを盗み食いしただけで魔法封じされるのは、おかしくね!?魔法士にとっては、手枷と足枷つけられるみたいなもんじゃん。しかも3ホールもあるんだよ!?絶対1人で食い切れねーだろ!心が狭いにもほどがあるでしょ!」
ユウ
「う〜ん……まあ……」
そう言えなくもない、かな?
エース
「なんだよ、その煮えきらない反応〜!」
魔法が使えなくなるだけなら、別に良いじゃん……と、正直思ってしまう。
まぁ、魔法が使えない私には、それがいかに苦しいことかなんて理解出来ないんだろうけど……
ユウ
「確かに、その魔法封じ?は、やりすぎかもしれないけど……」
とりあえず共感しておく。
エース
「だろだろ?」
グリム
「ハッ!もしかして……3ホールもあったなら、パーティ用かもしれないんだゾ。誰かの誕生日とか。オレ様、名推理すぎるんだゾ!」
ユウ
「それだ!」
エース
「誕生日ィ?」
確かに1人で3ホールなんて、普通に考えておかしいもんね……パーティ用って考えれば納得いく。