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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第5章 【真紅の暴君】前編


私達は玄関から談話室に移動して、エースの話を聞くことにした。


グリム
「その首輪って、オレ様が入学式であの赤毛の上級生につけられたヤツだゾ」


ユウ
「確か、魔法を使えなくする効果があるんだよね」


入学式の時は、暴れるグリムを封じる為に赤髪の上級生さんが付けたんだっけ。


グリム
「オマエ、なんでそんなの付けられたんだ?」


エース
「タルト食った」


ユウ
「え?タルト?……え?それだけ?」


予想外の可愛い単語の登場に、私は思わず聞き返す。


エース
「そーだよ、それだけ!小腹が空いたから寮のキッチンに行ったら、冷蔵庫にタルトが冷やしてあったんだよ。しかも、ホール3つ分も!だから……」


エースは、事のあらましを話し始める。


【NARRATION】


数十分前───


エース
「はあ、初日から疲れた〜。夕食食べ損ねたし、腹減ったな」


学園長室からハーツラビュル寮に帰ったエースは、デュースが先に部屋に戻った後、1人でキッチンに向かっていた。


エース
「なんか冷蔵庫に入って……あ、タルトがある!うっまそー!」


冷蔵庫の中には、真っ赤な苺をふんだんに使ったタルトが3ホール、冷やされていた。


甘い香りに誘われて、エースは我慢出来ずに手を伸ばす。


エース
「……こんなにあるんだし、一切れくらい食べてもわかんねーよな♪」


タルトの一切れを手に取り、口へと運ぶ。


エース
「いっただっきまーす」


パクッとタルトに食いついた途端、エースは驚愕のあまり目を見開いた。


エース
「ウワッ!何これウマッ!」


絶賛するエースは、背後に近づく影に気づくことが出来なかった。


リドル
「美味しくて当たり前だ。だって、トレイの作ったタルトはいつでも絶品だからね」


エース
「いやこれマジ美味いよ!店で売ってるのより……って、寮長!?」


エースは弾かれたように立ち上がる。


腕を組んでエースを睨むのは、赤髪の上級生。


ハーツラビュル寮・寮長、リドル・ローズハートその人であった。


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