【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編
◇◆◇◆◇◆
【NARRATION】
鏡の間-入学式会場
学園長が居ない式場は、彼の代わりに6人の上級生により取り仕切られた。
赤髪の男
「──さ、これで入学式と寮分けは終わりかな?」
騒ぐまでは行かずとも湧き立つ新入生を、一人の上級生が見据える……フードの中で、薔薇のように赤い髪が揺れた。
赤髪の男
「いいかい、新入生達。ハーツラビュル寮では、ボクが法律(ルール)だ。逆らう者は首をはねてやるから、そのつもりで」
獅子の耳を持つ男
「……ふぁ〜あ。やっとかったるい式が終わった」
厳かな雰囲気を破るように欠伸をついた上級生は、気怠げに新入生を見回した。
獅子の耳を持つ男
「さっさと寮に戻るぞ。サバナクロー寮、付いてこい」
眼鏡の男
「新入生の皆さん。この度は、入学おめでとうございます!」
新入生にも丁寧な口調で話す上級生は、新入生の注目を受け止めながら堂々と祝いの言葉を述べる。
眼鏡の男
「皆さんが充実した学園生活を送れるよう、オクタヴィネル寮寮長として、精一杯サポートさせていただきますよ」
6人の中でも一際目を惹く美貌を持つ上級生は、新入生ではなく出入口の方を見つめる。
美しい男
「それにしても、学園長はどこに行っちゃったのかしら?式の途中で飛び出して行っちゃったけど……」
タブレットの声
「職務放棄…………」
会場には現れず音声のみで参加をしている上級生は、静聴しなければ聴き逃されそうな声でタブレット越しに呟いた。
その会話を聞いて、頭にターバンを巻いた褐色肌の上級生が割と大きな声で話す。
ターバンの男
「腹でも痛めたんじゃないか?」
クロウリー
「違いますよ!」
すかさずツッコんだのは、その学園長だった。
赤髪の男
「あ、来た」
クロウリー
「まったくもう。新入生が1人足りないので、探しに行っていたんです」
上級生達の視線が、学園長の後ろにいる一人の新入生に向けられた。
小さな体を更に縮こまらせて、忙しなく辺りをキョロキョロと見回している。