【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
エース
「ま、いいけど。そんなことより早く寮に帰ろーぜ。せっかく退学免除になったのに、最初から遅刻じゃキマらない」
ユウ
「うん……じゃあ、」
私は、エースとデュースの顔を見て、ニッと笑った。
ユウ
「明日から、改めてよろしくね!」
エース
「改めてそういうの、ハズいからやめない?」
ユウ
「えー」
デュース
「フッ、そうだな。これから嫌でも毎日顔を合わせるだろう」
ユウ
「それもそっか」
デュース
「特にこいつとは同じハーツラビュル寮だし……」
デュースが、やれやれといったように首を横に振る。
ユウ
「2人って同じ寮だったんだ」
ハーツラビュル寮か……なんかオシャレな名前。
デュース
「そういえば、お前たちの寮の名は?」
グリム
「オレ様たちは、ずっと使われてなかった寮に住んでるんだゾ」
ユウ
「僕は、“オンボロ寮”って呼んでる」
グリム
「でもあそこ、ゴーストが住み着いてるんだゾ……うう……」
昨日怖かったのを思い出したのか、グリムが涙目になる。
ユウ
「バケモノ倒したのに、まだゴースト怖いの?」
グリム
「こっ、怖くねえ!」
エース
「えー。オレも、そっちの寮が良かったな。毎日寮で真面目クンの顔を見なきゃいけないかと思うと、やんなるわ」
デュース
「それはこっちのセリフだ、サボり魔エース」
エース
「はいはい、退学に半べそかいてた泣き虫デュースくん」
言い合う2人の間に、ドワーフ鉱山の時のような険悪な雰囲気はない。
エース
「んじゃ、また明日ね、ユウ」
ユウ
「うん。また明日」
寮へと帰ってくエースとデュースに手を振って、
ユウ
「あ、名前……」
いつの間にか、2人から普通に名前呼びされてたことに気付いた。
ずっとチビとか使えねー奴とか、散々な呼ばれ方されてたのに……主にエースに。