【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
グリム
「なんだかんだいいコンビなんだゾ。ケンカするほど仲がいいってヤツかもしれねーな」
ユウ
「そうだね」
この世界にもそのことわざ存在するんだ……ちょっとビックリ。
グリム
「さっ、オレ様たちも寮に戻るんだゾ!明日からは雑用係じゃない。ついに…ついに!」
グリムは、バッと腕を上に上げて、大きな声で叫んだ。
グリム
「ナイトレイブンカレッジの生徒として、オレ様たちの輝かしい学園生活が始まるんだゾ〜!」
ユウ
「おー!」
それはまるで、物語の1ページのようなセリフだった。
◇◆◇◆◇◆
オンボロ寮に帰ると、グリムはすぐにベッドに潜ってしまった。
嬉しさがあっても、疲れはどうしようもないもんね……
ユウ
「私も疲れたぁ……」
ベッドに寝そべって、ぼんやりと天井を見上げる。
ユウ
「……グリム」
グリム
「ん〜?」
ユウ
「昨日も言ったけど……明日から、一緒に頑張ろうね」
グリム
「むにゃむにゃ……オレ様の足引っ張るんじゃねーんだゾ」
ユウ
「寝言でも口の減らない猫だこと」
グリム
「オレ様は猫じゃねえ……ぐー」
寝ちゃった……
ユウ
「……おやすみ、グリム」
ふと、学園長の言葉を思い出す。
『ユウくん』
『貴方は間違いなく、この学園の未来に必要な人材となるでしょう』
ユウ
「…………」
私なんかが、学園の未来に関われるとは思わない。
だって私は、方法が見つかれば、すぐにでも元の世界に帰るつもりでいるんだから。
いくらナイトレイブンカレッジの生徒になれたっていっても、帰りたい気持ちは、やっぱり変わらないし……
それでも、昨夜のような不安感は、薄れている。
まぁ、とりあえずは学校生活……馴染めるように頑張ろう。
そう思いながら、私は目を閉じた。
──To Be Continued