【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
ユウ
「魂の結びつき……って何ですか?」
メモリーが飛び出してくるって、写真が立体的になるってこと?
クロウリー
「撮影者が被写体と親しくなることにより、写真が動画のように動いたり、実体を伴って抜け出したりするようになるんです。面白いでしょう?」
ユウ
「写真が抜け出す!?」
デュース
「まるで心霊写真じゃないですか!」
クロウリー
「ええ。だから『ゴーストカメラ』と呼ばれたそうです」
予想以上にとんでもない代物だった……どうして学園長は、こんな物を私なんかに預けるの?
クロウリー
「まだ動画のない時代、より鮮明に思い出を残すために開発されたものらしいんですが……スペードくんの言う通り、昔の人は飛び出したメモリーを見て『ゴーストだ!』と驚き、このカメラで写真を撮られることを非常に恐れたんだとか」
エース
「なんか人騒がせなカメラだな……」
クロウリー
「ユウくん。貴方は、このカメラでグリムくんや他の生徒達を撮影し、学園生活の記録を残してください」
ユウ
「記録……ですか」
グリムだけじゃなく、他の生徒も?
グリム
「らんららん♪オレ様がかっこいいところ、じゃんじゃん撮るんだゾ♪」
グリムはご機嫌に歌ってる。
クロウリー
「……特に、ああいうお調子者が悪さをした時には、必ず『メモリー』を残しておくこと。私への報告書代わりにうってつけでしょう?監督生として、しっかり周囲に目を光らせ記録をとるように」
それが、さっき言ってた頼みたい仕事みたい。
クロウリー
「魔法士でなくても使える稀少な魔法道具を気前よく渡すなんて……私の優しさ、天井知らずじゃありません?」
私が欲しがったみたいな言い方が気になるけど、雑用係じゃなくなる分、何か仕事はするべきだよね……
ユウ
「やってみます」
寮を貸し出して貰ってる恩は、返していかなきゃ。
クロウリー
「さて、今日はもう遅い。詳しい話は明日にしましょう。皆さん寮に戻りなさい」
デュース
「では、失礼します」
私はカメラとペンを持って、デュース達の後に続き、学園長室を後にした。