【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
デュース
「なるほど、お前たちの寮に生徒は2人だけなのか……つまり、学園長にグリムの監督を任されたユウが、監督生ってことになるんだな」
エース
「プッ……前代未聞なんじゃねーの?魔法が使えない監督生なんてさ」
エースとデュースの言い方から、監督生というのが結構重要な肩書きなんだと分かる。
エース
「いいね、クールじゃん。魔法が使えない監督生!」
規模は違うけど、要するに寮長みたいなもの?
ユウ
「自信ないなぁ……」
私かグリムかの消去法とはいえ、どうしても不安は感じる。
デュース
「ドワーフ鉱山で見せた気合はどうした?」
エース
「そうだぜ。頑張れよ、監督生どの!」
ユウ
「からかわないで〜」
この2人面白がってない!?他人事だと思って!
クロウリー
「なるほど、監督生ですか。ちょうど頼みたい仕事もありますし、肩書きがあるのは非常に都合がい……いえ、素晴らしい!」
今、絶対「都合がいい」って言おうとしたよね。
クロウリー
「監督生くん。貴方に、これを預けましょう」
学園長が、何かを取り出して私へと手渡す。
クロウリー
「……これは、通称『ゴーストカメラ』と呼ばれるものです」
ユウ
「ゴーストカメラ?」
それは、私の掌より少し大きいくらいの、古めかしいカメラだった。
エース
「あ、それ、ばーちゃんに聞いたことあるかも。すっげー昔の魔法道具っすよね?」
クロウリー
「すっげー昔というほどでも……ゴホン。確かに、君のひいお祖母様か、ひいひいお祖母様が子どもの頃に発明されたものかもしれません」
学園長って、本当に歳いくつなんだろ……
クロウリー
「このカメラには特別な魔法がかけられていて、被写体の姿だけでなく、魂の一部をも写し取ることができるのです」
デュース
「魂の一部……?」
クロウリー
「『記憶の断片(メモリー)』とも呼ばれています。そして、この魔法のカメラの面白い点は、撮影者と被写体の魂の結びつきが深くなると写真に写された『メモリー』が飛び出してくるところです!」