【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
グリム
「……ん?コレ、なんだ?」
ひょいと、グリムが地面から何かを拾い上げる。
デュース
「さっきのバケモノの残骸か?」
それは、真っ黒な石だった。
デュース
「魔法石……?いや、でもこんな石炭のように真っ黒な石は見た事がない」
ユウ
「なんか不気味……」
これも、ドワーフ鉱山から取れる鉱石の一種?
グリム
「クンクン……なんだかコレ、すげーいい匂いがするんだゾ……」
エース
「嘘だあ!?」
グリム
「アイツが隠し持ってた飴ちゃんかもしれねーんだゾ!うう〜っ、我慢できない!」
ユウ
「えっ」
グリム
「いただきまーす!」
グリムが、黒い石を口の中に放り込んだ──って、ちょっと待て!!
ユウ
「コラ!ペッしなさい!ペッ!」
何堂々と拾い食いしてんの、この猫!!
グリム
「ゔっ!!!!!!」
ユウ
「グリム!?」
デュース
「おい、大丈夫か!?」
エース
「あーあ。そんなもん拾い食いするから〜」
グリム
「う……ううう………っっっうんまぁ〜〜〜い!!」
エース/デュース
「え゙っ!?」
グリム
「まったりとしていて、それでいてコクがあり、香ばしさと甘さが舌の上で花開く……まるで口の中が花畑だゾ!」
聞いてもないのに、グリムはペラペラと黒い石を食べた感想を述べた。
しかも大絶賛。
エース
「げーっ、やっぱモンスターってオレ達とは味覚が違うの?」
デュース
「……かもしれないな。というか……落ちている得体の知れないものを口に入れること自体、ほとんどの人間はやらない」
ごもっとも。
ユウ
「モンスターって雑食なんだぁ……」
グリム
「がっはっは!美味美味!心配しなくても、オレ様はオマエたちと違ってそんなヤワな腹をしてねぇんだゾ」
モンスターの体ってどうなってるんだろ……考えても分かるわけないから、今はそういうものなんだと納得しておく。
ユウ
「心配して損した」
エース
「もー。後で腹下しても知らねーからな」
デュース
「──さぁ、気を取り直して。魔法石を学園長に届けに行こう!」
そして私達は、魔法石を持って、ナイトレイブンカレッジへの扉(ゲート)潜った。