【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
ユウ
「っていうか、ハイタッチとか揃って説教とか……みんなすっかり仲良しだね」
これぞ、雨降って地固まるってやつ?
デュース
「……あっ!ち、違う。別にこれは、そういうんじゃない!」
エース
「そ、そーそー!変なこと言わないでくんない?」
グリム
「オッ、オレ様が大天才だから勝てたんだゾ!力を合わせたから勝てたんじゃねーんだゾ!」
3人は説教を忘れて、聞いてもない言い訳をし始めた。
ユウ
「そういうんって何?僕、変なこと言ったかな?」
ここぞとばかりに、私はニマっと笑いながら3人に迫った。
恥ずかしがってる恥ずかしがってる……説教の仕返しだ!ザマァみろ!
エース
「……って、言い訳すんのもダサいか。悔しいけど、ユウの作戦勝ち、かな」
ユウ
「え?」
デュース
「……ああ。ユウが落ち着いて指示を出してくれたから、こうして魔法石を手に入れられた」
ユウ
「そ、そんな」
今度は私が恥ずかしがる番だった。
不意打ちで褒めるなんてズルい……こんなの嬉しいに決まってる。
デュース
「これで退学させられずに済む。……本当に良かった」
ユウ
「みんなが協力してくれたおかげだよ」
3人が協力してくれなきゃ、それこそ魔法石を手に入れるのは不可能だった。
私は、協力するよう言って、少しだけ囮もやったけど、怪物と戦ったわけじゃない。
この魔法石は、3人の手柄だ。
ユウ
「助けてくれて、ありがとう」
エース
「はいはい、よかったよかったー」
エースは疲れた様子で、遇らうようにヒラヒラと手を振る。
もうちょっと感動に付き合ってくれてもいいのに……まぁ、私も疲れたけど……
エース
「マジ、クッタクタのボッロボロ。早く帰ろうぜ」
ユウ
「そうだね」
グリム
「いっぱい魔法を使ったら腹が減ったんだゾ……」
ユウ
「グリム、僕が夜ご飯抜きって言ったの覚えてる?」
グリム
「ふなっ!?オマエ、本気か!?それはねえんだゾ!!」
ユウ
「あはは!冗談だよ」
笑いながら返したら、グリムに足をバシバシ叩かれた。