【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
ボウッ!
グリムの青い炎が燃え上がる。
それはまるで、私と彼らとを隔てているように見えた。
◇◆◇◆◇◆
怪物との3度目の戦いは、一言で言えば泥試合。
ひたすら魔法をぶつける、怪物の攻撃を避ける、それを繰り返す。
デュース
「はあ、はあ………っ!」
それでも強かにダメージを与え続けた結果……
エース
「やっ……た?」
怪物は、私達の前から消滅した。
グリム
「か、勝った……オレ様たちが勝ったんだゾ!」
ユウ
「勝った……」
良かった……みんな無事で!
デュース
「よっしゃあ!」
エース
「やったあ!」
グリム
「勝利のハイタッチなんだゾ〜!」
パチン!
「「「イェーッ!!」」」
わ、3人がハイタッチしてる……数十分前までは考えられなかった光景だ。
グリム
「どうだユウ!オレ様の真の力、ちゃんと見たか!?」
グリムが、物凄いドヤ顔で私の元に駆け寄って来た。
ユウ
「うん。見た!みんな凄かった!」
エースとデュースもこちらに来て、2人して私の目の前に立つ。
え、近くない?
デュース
「……怪我は?」
ユウ
「だっ、大丈夫……あちこち痛いけど、全部擦り傷」
エース
「よし……」
ユウ
「な、何?」
ビシィッ
ユウ
「痛ァ!!」
エースにまたデコピンをお見舞いされた。
エース
「何が『先に行ってて』だバカヤロー!!!」
ユウ
「ギャー!」
大激怒するエースが怖過ぎて、私は助けを求めるようにデュースの方を見る。
けど、デュースはデュースで怒ってるっぽかった。
デュース
「俺達には『協力しろ』と言っておいて、お前は一人で危険をおかすんだな……」
グリム
「オレ様も、さすがにどうかと思ったんだゾ」
ユウ
「うっ、そ、それは……さっきは咄嗟だったし……ああするのが一番……」
デュース
「うだうだ言い訳してんじゃねえ!!」
ユウ
「ヒッ!ごめんなさい!!」
デュースのあまりの剣幕に、私はさっさと謝った。
エース
「反省しろよな!」
ユウ
「うう、そんな怒ることないじゃんかぁ……」
私、そんな悪いことしたかな!?