【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第2章 【WelcomeToTheVillains'World】中編
ユウ
「デュースは、僕達を助けてくれようとしただけなんです!彼は関係な……」
クロウリー
「シャンデリアを破壊するに至ったのは、彼の魔法が原因なのでは?」
ユウ
「それは……!」
クロウリー
「馬鹿な真似をした自分を恨むんですね」
学園長の言葉に反論出来ず、私は口を噤んだ。
その横を抜けて、デュースが学園長の前に立つ。
デュース
「許していただけるなら、弁償でも何でもします!」
クロウリー
「このシャンデリアは、ただのシャンデリアではありません。魔法を動力源とし永遠に尽きない蝋燭に炎が灯る、魔法のシャンデリア。伝説の魔法道具マイスターに作らせた逸品です」
そ、そんな特別なものなんだ……シャンデリアなんてただでさえ高価な物なのに……
クロウリー
「学園設立当時からずっと大切に受け継がれてきたというのに……歴史的価値を考えれば10億マドルは下らない品物ですよ。それを弁償できるとでも?」
デュース
「じゅ、10億マドル……!?」
マドルってのが、この世界のお金の単位なのかな……レートは分かんないけど、10億って数字だけでとんでもない大金だってのは私にも分かる。
ユウ
「……なんとか、直すことは出来ないんでしょうか?」
全額弁償より修理費の方が安く済んだり……という淡い期待を込めて聞いてみる。
エース
「先生の魔法でパパッと直せちゃったりとか……」
クロウリー
「魔法は万能ではありません」
学園長が首を横に振るのを見て、私はまた頭を抱えたくなった。
クロウリー
「しかも、魔法道具の心臓とも呼べる魔法石が割れてしまった。魔法石に2つと同じものはない。もう二度と、このシャンデリアに光が灯ることはないでしょう」
つまり……お手上げ……
エース
「そんなぁ……」
デュース
「ちくしょう……何やってんだ俺は……母さんに何て言えば………」
ユウ
「………」
どうしよう……まさかこんな事になるなんて……
私がグリムをよく見てなかったせいで、2人を巻き込んでしまった。
せめて、2人の退学だけでも取り消して貰わなきゃ……でも、私なんかに出来ることなんて……
クロウリー
「……………そうだ。1つだけ」
ユウ
「?」