【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第2章 【WelcomeToTheVillains'World】中編
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【HEROINE side】
校舎裏から拝借してきた脚立に乗って、私は大食堂の大きな窓を上から下まで拭いていく。
ユウ
「よーし、大食堂のラスト1枚……」
脚立を移動させて、再び登って頂点に腰を下ろした。
ドタドタドタ
エース
「くそー!ちょろちょろしやがって!」
ユウ
「あ、やっと来た」
忙しない足音がして、出入口の方に目を向けると、そこにはエースとデュースとそれに追いかけ回されてるグリムの姿があった。
グリム
「へっへっへ!捕まえられるもんなら捕まえてみろ〜だゾ!」
グリムが、天井から吊るされてるシャンデリアへとよじ登る。
デュース
「くっ!シャンデリアに登るとは卑怯だぞ!」
ユウ
「こらグリム!今すぐ降りなさい!壊したらどうすんの!?」
今はグリム捕まえる方が優先!早く降りて2人を手伝おう。
デュース
「飛行魔法はまだ習っていないし……何か挟んだり、捕まえたりする……」
デュースもなんだかんだでグリムを捕まえるのに協力してくれてる。
ユウ
「グリム!もう迷惑かけるのやめて!今すぐ降りてきなさい!」
グリム
「嫌なんだゾ!」
ユウ
「夜ご飯抜きにするよ!!」
グリム
「ふな゙っ!?……オ、オレ様はそんな脅しには屈しねーんだゾ……」
結構効いてる!
エース
「おいチビ!あんまうろちょろされると邪魔なんだけど」
ユウ
「え?あ、ごめん」
エース
「魔法使えねえチビはひっ込んでろよな」
ムカッ
さ、さすがに今のは腹立った……!
デュース
「……はっ、そうだ!」
エース
「何か良いアイデアが……って、おいおい、ちょい待ち!」
デュースが、手に持ったペンをエースに向ける。
エース
「何でマジカルペンこっちに向けてんの!?」
マジカルペン?
デュース
「お前を投げればいいんだ!」
ユウ
「えぇ〜っ!?」
何言ってんのこの人!?
エース
「冗談でしょ!?うわわわっ!浮かすな!」
デュースが魔法を使ったのか、エースの体がひとりでに宙に浮かび上がった。
エース
「オレのこと投げる気かよ!?やめろマジで!」
デュース
「しっかり捕まえろよ!」