【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第2章 【WelcomeToTheVillains'World】中編
黒髪の生徒が、胸ポケットからペンを取り出してエースに向けた。
???
「何でもいいから、いでよ!重たいもの!」
ドッ ガシャン!
エース
「ぐえぇっ!」
エースの頭上に出現した巨大な黒い物体が、重力のまま落ちてエースを上から押しつぶした。
エース
「ナンダコレ!?鍋!?」
ユウ
「何アレ!?」
グリム
「ぎゃははは!見てみろ、ユウ!エースのヤツ、でっけぇ釜の下敷きになってペッタンコになってるんだゾ!だっせーゾ!」
エースの元に駆け寄ってみると、それは金属製の大釜だった。
ユウ
「だ、大丈夫?」
こんなのに上から押しつぶされるとか……想像しただけでゾッとする。
そこへ、大釜を落とした張本人もやってくる。
???
「まさか大釜が出るとは。ちょっとやりすぎたか……?」
エース
「あいたた……」
エースが、打ったところを摩りながら立ち上がった。
良かった、大きな怪我とかはなさそう。
エース
「いーじゃんかよ。窓拭き100枚くらい、パパッとやっといてくれたってさー」
ユウ
「パパッとできるわけないでしょ!」
100枚くらいとか言うくらいなら、貴方が一人でやってみなさいよ!!
ユウ
「大体、学園長の命令に逆らったのがバレたら、もっと重い罰を追加されるかもだよ。それでも良いの?」
???
「罰で窓拭き100枚って……一体、君たちは何をやったんだ?」
エース
「今朝そこの毛玉とじゃれてたら、ハートの女王の像がちょーっと焦げちゃっただけ」
ユウ
「だけって!」
???
「グレート・セブンの石像に傷をつけたのか!?それは怒られるに決まってるだろう。せっかく名門校に入学できたっていうのに、初日から何をしてるんだか……」
エース
「……るせーなぁ。つーかお前、誰?」
???→デュース
「僕はデュース。デュース・スペード」
近くで見ると黒ではなく青みがかった黒の髪色で、青い瞳と右目元に描かれたスペードが特徴的……エースといい、目元にマークって流行ってんのかな。
デュースが、呆れたような顔でエースを見る。
デュース
「クラスメイトの顔くらい覚えたらどうだ?……えーと……」
エース
「お前も覚えてねーじゃん」