【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第2章 【WelcomeToTheVillains'World】中編
学園長から貰った校内マップをポケットから出して確認してみる。
ユウ
「東校舎の奥には、鏡舎っていう各寮に繋がる扉が集められた建物があるみたい」
グリム
「エースはそこだな!急いで行くんだゾ!」
私とグリムは、鏡舎目指して駆け出した。
◇◆◇◆◇◆
私とグリムが鏡舎にたどり着くと、
エース
「窓拭き100枚なんてやってられるかっての。さっさと帰って………」
探していたエースが、今まさに中へ入っていくところだった。
グリム
「こーーーらーーーーー!!!」
エース
「げっ!!見つかった!」
グリムが怒鳴ると、エースがこちらの存在に気付いてギョッとする。
ユウ
「窓拭きサボったら怒られるよー!」
グリム
「てめー!!待つんだゾ!!1人だけ抜け駆けはさせねーんだゾ!」
エース
「待てって言われて待つわけないっしょ!お先!」
グリム
「1人だけずるいんだゾ〜!オレ様だってサボりたいんだゾ!」
ユウ
「こらこら!」
本音が出てる!
エースが鏡舎の中へ入って行き、私とグリムも駆け込む。
???
「……?」
中には、私達とは別に生徒が一人いて、7つある鏡のうち一つの前に立っていた。
エース
「どいたどいた!」
???
「えっ、お、おうっ!?」
エースの剣幕に圧されて、その黒髪の男子生徒が避けようとする。
あの鏡が寮に繋がってるっぽい……寮に逃げられたら厄介だ。
ユウ
「その人捕まえてください!」
???
「は!?なん……」
ユウ
「掃除をサボる悪い人なんです!」
???
「なにっ!それは悪い奴だ!」
黒髪の生徒が、避けるのをやめてエースの前に立った。
???
「人を捕まえるには……足を止める、いや、縄で拘束する?それとも……えぇっと……」
あ、なんかめっちゃ考えてくれてる。
でも悠長なことしてたら、エースに逃げられちゃう!
グリム
「何でもいいからぶちかますんだゾ!早く!」
???
「何でも!?なんでも、なん……ええい!」